🌟 はじめに:FreeCADとmacOSの互換性問題
OSのメジャーアップデートは、時に予期せぬソフトウェアの互換性問題を引き起こす。
この記事では、セキュリティの観点からmacOSを12 (Monterey)から最新の15 (Sequoia)にアップデートした際に、FreeCAD 1.0.0で発生した特定の解析の不具合について詳述し、その確実な解決策としてFreeCADの最新バージョンへのアップデートを推奨する。
🛑 macOS 15 (Sequoia)へのアップデートでFreeCAD 1.0.0に発生した不具合
以前の記事(「FreeCAD 熱解析ガイド①」「FreeCAD 熱解析ガイド②」など)で紹介したシミュレーションモデルは、macOS 12 (Monterey)環境下で問題なく熱解析が実施できていた。
しかし、OSをmacOS 15 (Sequoia)にアップデートした直後、同じモデルで解析を試みたところ、以下のようなエラーが発生し、解析ができなくなった。
1. SolverCcxTools ダブルクリック時の警告
まず、解析ソルバーの設定を行うために「SolverCcxTools」をダブルクリックした際に、「FEM: wrong ccx binary」という警告ウィンドウが表示された。

2. .Inpファイル書き出し時のエラーメッセージ
この警告を無視して、「タスク」タブ内の「.Inpファイル書き出し」をクリックすると、大きなメッセージウィンドウが出現し、解析が実行できなかった。

このメッセージの中には「Error importing numpy...」など、PythonライブラリのNumPyのインポートに関するエラーを示す記述が含まれていた。
私の知識では、このエラーメッセージから、直接的にmacOS 15 (Sequoia)で解析できない原因を特定するのは困難であり、おそらくOS側の変更に伴い、FreeCAD内部の依存関係やパス設定に問題が生じていると思われる。
✅ 解決策:FreeCADを最新バージョン 1.0.2へアップデート
不具合の原因究明に時間をかけるより、まず最初にソフトウェアの進化に頼ることにした。FreeCADのバージョンは、不具合が発生した1.0.0から、1.0.1そして現在の最新版である1.0.2へとアップデートされている。
そこで、問題解決の対策として、FreeCADを最新版である 1.0.2 にアップデートし、再度熱解析を試みた。
FreeCAD 1.0.2で不具合が解消された手順
1. FreeCAD 1.0.2をインストールする。
2. 以前解析できなかったモデルを開き、「SolverCcxTools」をダブルクリックする。
バージョン1.0.0で表示された「FEM: wrong ccx binary」という警告ウィンドウは表示されなくなった。
3. 続けて「.Inpファイル書き出し」をクリックする。
エラーメッセージは表示されず、「Write completed」のメッセージが表示され、正常に.Inpファイルが書き出された。

4. 最後に「Calculi Xを実行」をクリックする。
解析はスムーズに実行され、以前と同様に結果まで問題なく表示されることを確認できた。


💡 まとめと推奨事項
結論として、macOS 15 (Sequoia)にアップデートした環境でFreeCADの熱解析(FEM)を実行する際は、FreeCADのバージョンを1.0.2にアップデートすることで、不具合が解消された。
この不具合は、FreeCAD 1.0.1または1.0.2のいずれかのアップデートで改善された可能性が高い。macOSのメジャーアップデート後は、使用している主要なソフトウェア(特に依存性の高いオープンソースツール)も最新バージョンに更新することが、互換性問題を避けるための最も重要な対策と考える。